【編集部インタビュー】波乱万丈のニュージーランド留学part1″ホストファミリーと対面”

インタビューを受けるたけやすさん

【編集部インタビュー】面白い体験や活動をしている人にお話を聞くノンジャンル企画

現在は大阪市内の大学院に通いながら、教員を目指している竹保遥さん。ブラインドサイドのメンバーとしても活躍中の彼女に、京都外国語大学時代に行った約一ヶ月のニュージーランド留学について話してもらいました。

受け入れ先が決まらない!

最初は大学の交換留学で行こうとしてたんですけど、視覚障害を受け入れてくれる大学がなかなか見つからなくて困りました。

そしたら、ずっと交換留学の相談をしていた大学の国際部の職員の人が交換留学の提携先じゃない語学学校にメールで問い合わせてくれたんです。それでEFという、結構有名な語学学校が全盲生徒の受け入れ経験があって、受け入れてくれるってことになりました。

ただ、この後もなかなか決まらなくて(笑)。8月に学校に行くのは決まってたんですけど、次は滞在先が決まらない。滞在先はホストファミリーを希望してたんですけど、受け入れ先がないと寮になっちゃうんです。ようやく7月になって受け入れてくれるホストファミリーが見つかりました。その前の年の秋から留学先を探し始めたので、ここまでで一年くらいかかりました。

そこから正式に書類を送ったりするんですけど、入学まで一ヶ月しかありませんから、かなりバタバタでした。

実はこの連絡を受けたのが、ちょうど東京の全盲の友達とオーストラリアに旅行に来てたときっていうのもあって(笑)。お母さんに電話して、書類用意してもらったり、すごい焦ってましたね(笑)。

ホストファミリーともメールでやり取りして、服は何枚持っていったらいいかとか。8月だと向こうは冬なんですよね。

いよいよ出発

乗り換えが嫌だったので、直行便のあるニュージーランド航空に乗ろうと思って、成田からしかでてないので、成田に行って、京都から成田まではおかあさんといっしょに行って。お金をNZドルに変えたり、一緒にして。洗濯用洗剤とか買って。

搭乗手続きが終わったら、カウンターの人が保安検査まで案内してくれます。そこでまた別の職員さんに渡されて、検査が終わるとまた別の人が案内してくれて。なんかこれ宅配便みたいって思いました(笑)

別れるときにお母さんが号泣してて、手引きに付いてくれた職員さんも「行っちゃって…いいんですか?」みたいな変な感じになって(笑)

私の座席は通路側で、右が通路、左がニュージーランド人の大きいおじさんだったんですけど、肘掛けの取り合いどころじゃなくどころじゃなく、もう体が完全にこっちに侵食してる(笑)。スプーンの袋開けてくれたり、すごい親切ではあるんですけどね(笑)。

飛行機内では、あれ使えないんですよ!機内エンターテイメント!

タッチパネルなので。音楽も映画も。毎回CAさんにお願いするのもあれかなかなと思ったんで、使わなかったです。

ご飯とか食べたりして、寝ようかなと思ったら、突然飛行機が大きく揺れて。乱気流に巻き込まれたんです。怖かったですね。生きて日本に帰りたいと思いました(笑)。揺れるのはこわいです。自分は何もできないじゃないですか。何かあってもただ落ちていくだけみたいな(笑)。

揺れがおさまって、やっと寝れると思ったら、次はCAの人に肩叩かれて、「シートベルトを確認してください」みたいに言われて。

ちゃんとしてたんですけどね(笑)。

ホストファミリーと対面

現地時間の朝六時くらいに着いて。8月ですけど、もう本当に真冬でした。乾燥してて、日差しが強くて、風も強い。

学校が手配してくれたタクシーで、一時間くらいでホストファミリーの家家につきました。朝早かったんですけど、家族みんなで出迎えてくれました

ホストマザーがローズ、ホストファザーはジョン。重い障害のあるホストシスターがいました。半身麻痺と、知的障害のある人で。2歳年上のハウスメイトのナディーン。ナディーンは私が行く学校に通っている子でした。あと、犬がいました。室内犬にしては割と大きい。すごく可愛かったですよ。犬種は忘れちゃいましたけど(笑)。

ほんとすごく優しく迎え入れてくれて。手を掴んで、家の中をぐるっと案内してくれました。すごい豪華な家で、ホストマザーが昔バレエの先生をしていて、家の中にバレエスタジオがあるんです。そこに全盲の生徒が居たらしくて、そういう対応にもなれていたんですね。めちゃめちゃラッキーですよね。お金持ちの家でしたし(笑)。

あとになって、なんで受け入れてくれたの?って聞いたことがあったんですね。

そしたら、「受け入れない理由がなかったのよ」って答えてくれて。「ただそういうリクエストがあったから、すぐにOKしたのよ」って。すごく嬉しかったです。

ただ英語のアクセントが強すぎて、全然わからなくて(笑)。留学してるとだんだん周りの言ってることはわかるようになってくるんですけど、その家族だけはアクセントが他より強いのか、最後まで難しかったです(笑)

Part2へ続く