【編集部インタビュー】波乱万丈のニュージーランド留学part2″ニュージーランドの洗礼”

たけやすはるかさん

【編集部インタビュー】面白い体験や活動をしている人にお話を聞くノンジャンル企画

現在は大阪市内の大学院に通いながら、教員を目指している竹保遥さん。ブラインドサイドのメンバーとしても活躍中の彼女に、京都外国語大学時代に行った約一ヶ月のニュージーランド留学について話してもらいました。

食とテレビ、ニュージーランドの洗礼

最初の食事はサンドイッチでした。着いてすぐに「お腹空いたでしょ?」って感じで出してくれて。

機内でもたくさん食事が出てきて、もうブロイラーみたいに出されたものを食べてたので、全然おなかすいてなかったんですけど、空いてることにして(笑)。

そしたら「マーマイトと、ベジマイトどっちがいい?」

って言われるんですけど、どっちもわからない。知ってて当たり前な感じで言うけど、全く知らない(笑)。

食べると、もう劣化した味噌みたいな塩辛い味なんですね。マーマイトもベジマイトもどっちもマズって思って(笑)。なんでこんなものを食べるんだろうって思いました。

家族で集まってテレビを見る習慣があるんですけど、この最初の日も、夜になるとみんなで集まってテレビを見てたんです。

そういうの習慣があるなら、なるべく私も参加しようと思って一緒に見はじめました。たまにホストマザーが状況を説明してくれたりして、楽しく見てたんですけど、その見てた番組が、なんか恋愛ドラマなのかわかんないんですけど、やたらラブシーンが多いんですよ(笑)。一時間の中で何度も何度も、色んな人達が色んな所で(笑)。

今日初めてあった家族と、こんなの見てて、どうしたらいいんだ!って思って(笑)。

そしたらホストマザーがファザーに向かって「彼女は見えないんだから、今何が起きてるか説明してあげなさいよ」みたいに、いじわるしてるし(笑)。

もうしばらくテレビ見るの恐怖でした。その番組が九時からだったんで、もう九時以降は見ないようにしてましたね(笑)。

バスから降りられない!

学校まではバスで一時間くらいです。このバスがほんと大変で(笑)。

まず乗る時は、タクシーみたいに手を挙げないと止まってくれないんですよ。時刻表なんて無いようなもので、時間の十五分前にもう行っちゃってたりするんです。

降りるのはもっと大変です。降りる時は、降りたいバス停の近くになったら、運転手さんに直接声をかけて、「次で降りるよ」と言わなきゃいけないんですよ私にとってはもう地獄ですよね。見えないですから(笑)。

目的地のバス停に付けば、学校の方ではスタッフが迎えに来てくれていて、家に帰る時は、ホストマザーがバス停まで来てくれてます。学校に行く時は終点が学校なので大丈夫なんですけど、帰りが特に難しかったんです。ホストファミリーの家の最寄りのバス停は終点ではないので、タイミングよく「次で降りるよ」と言わないと、そのまま通り過ぎてしまうんです

なので初めの頃は、乗ったときに運転手さんに「〇〇で降ります」と伝えてました。でも運転手さん忘れちゃう(笑)。

バス停まで迎えに来ていたホストマザーが、私を乗せたまま通り過ぎていくバスを慌てて止めたりしてました(笑)。

バス停までは迎えに来てもらっていても、車内はひとりなので、どうにかしなきゃいけない。それでいろいろ試したんです。ひとりでもスムーズにバスを降りる方法を。

まず、同じ学校に通う家が近い子がいたので、その子と一緒に乗るようにしました。でもやっぱり時間が合わないときが多いので、これはダメだなと。

学校の担任に相談したら「運転手の後ろに座って、15分おきにドント・フォーゲットミーって言え」って言われて。いや、それは恥ずかしいと思って(笑)。

それで、バスに乗ってすぐ、近くの人達に結構大きい声で「私はどこどこで降りるから、近づいたら教えてください」って言うっていうのもやったんですけど、結局その人達が先に降りちゃうとダメなので。

いろいろ試すんですけど、どれもダメなんですよね。時刻表どおり動いてないので、乗ってからの時間で計るってのは、そもそも無理ですし(笑)。

それからも、解決できないまま毎日バスに乗ってました。それであるとき気づいたんですけど、一箇所すごく急なカーブがあるんですね。運転もすごい荒いので、椅子から落ちそうになるくらいの。毎日乗ってると、どうもそこを通過してから五分後くらいに自分の降りたいバス停の辺りにつくことがわかってきて。そのカーブを越えたら、運転手に次で降りるって伝えるようにしたんです。

そしたら完璧に家の近くのバス停で降りられるようになって!

私にとっては世紀の大発見でしたね。これで安心してバスが乗れる!って思って。

問題をなんとか切り抜ける方法ってなんでもあるんだなと思って嬉しくて。ゲームをやっとクリアしたみたいな達成感がありました(笑)。

Part3へ続く